アマゾン等で会議用の片耳タイプのBluetooth(BT)ヘッドセットが最近安価に発売されるようになってきたので、いくつか買って試してみているのですが、その中でもCamboというメーカーのK10Cが安価ながら良い製品だったので、レビューします。

複数マイクで背景ノイズを削減する仕組み
以前からPoly (旧Plantronics) のVoyager Legend、 その後継のPoly Voyager 5200を使ってきました。これらPolyのBTヘッドセットの特徴として複数のマイク(Legendは2つ、5200は3つ)による背景ノイズ削減(ノイズ除去)があります。
仕組みとしては、口に近い方のマイクの音と、背後の音を拾うためのマイクの音をキャッチし、それらの信号をDSPで差分処理することでノイズを抑えています。これは1つのマイクの音をソフトウェア(AI)処理するのとは異なる方法であり、自然な音声が実現できます。
これまで、こういった機能はPolyやJabraといった専業メーカーが出す比較的価格が高い(10,000円以上の)、DSP内蔵のヘッドセットにしか搭載されていなかったのですが、数年前からQualcommがノイズ除去機能を一部のBTチップに内蔵しはじめたことで、DSP不要でノイズ除去が実現できるようになり、安価なBTヘッドセットが色々なメーカーから供給されるようになりました。
Conambo K10C
Conamboという会社についての情報はほとんど見つけられなかったのですが、アマゾンの製品ページには「過去 10 年間、Conambo は業務用通話用ヘッドセットで知られております」とのことで、それなりにヘッドセットを作ってきた企業のようです。ただ、ホームページにも全然企業の情報がなく、主にOEM等で生産を請け負ってきた企業なのではと想像しています。
Amazonで色々なヘッドセットを販売していますが、このK10Cはその中でも比較的新しく出た製品と思われます。チップに Qualcomm QCC3040 が採用されていますが、これは2つのマイクによるノイズ削減機能をもったBT 5.2チップです。価格は通常価格4,699円(税込)に設定されていますが、セール対象になったり、割引クーポンがよく提供されているようで、4,000円前後で購入できることが多いようです。私が購入したときは15%オフクーポン適用で3,994円でした。(2024/11/23 追記:一時期K10C本体+プラスチックケースでの販売が無くなっていましたが、その後復活しました。同じページ内で本体+プラスチックケースと、本体+充電ケースが選択できるようになっています。)

本体に同梱されているものとしては上の写真のとおりで、ケース(充電機能等はないプラスチックケース)、説明書、USBケーブル、取り換え用のサイズが異なるイヤーパッドが含まれます。
マイクの音質


ブーム先端、内側にあるのが声を拾う用のマイクで、外側にあるのが外音用のマイクです。金属風のメッキがありますが、一部稼働部以外はほぼプラスチックであり、高級感はありませんが非常に軽量です。

BTでヘッドセットプロファイル(HSP)で接続したときは16bit/16kHz (HD Voice)になることと、前述のノイズキャンセルがあるおかげで、会議中に聞きづらいと言われたことはないです。
物理スイッチによるON/OFFができる
色々なメーカーから安価なヘッドセットが提供されていますが、このK10Cの良いところとして物理ON/OFFスイッチがあげられます。

こういった物理的なON/OFFスイッチを持つBTヘッドセットは現状少なく、私がK10Cを購入した理由の1つです。他の多くの(安価な)製品はマルチファンクションボタンを長押しすることで電源をON/OFFする形になっているのですが、あまり良い体験ではないです。その点物理スイッチは一瞬でON/OFFできて、快適です。この他に音量ボタンと、マイクブームにSiriやGoogleアシスタントを呼び出すボタンがあります。
充電まわりとバッテリー
バッテリーはスペック上最大16時間となっています。使ってみた感じでは自分が会話する量に比例してバッテリーを消費する傾向があり、自分が良く話した場合は1時間に8%程度、聞き中心でほとんど喋らなかった場合は1時間2%ぐらいといったところで、数日に1回程度の充電で利用できています。
充電は下部のUSB-Cポートから行います。このUSB端子にカバー等がついていないのも個人的には良いところです。また、上記写真に電極のような端子がありますが、これは専用の充電器で利用する端子です。私が購入した本体に付属しているケースには充電機能はありませんが、バッテリー&充電機能付きケースと本体がセットで販売されています。バッテリーを内蔵しているので、ケースに入れておくだけで充電される仕組みです。バッテリー内蔵ケース+本体で設定価格6,999円で、こちらもよく15%程度の割引クーポンが提供されています。

その他特徴、まとめ
その他の特徴としては、左右の耳にかけられるようになっている、IPX4防水、2か所までのマルチペアリングに対応、技適表示アリ(本体に印刷、認証番号 210-141659 )などです。
2マイクによるノイズキャンセル付きのBTヘッドセットとしては安価であり、クーポン適用で本体+プラスチックケースで4000円未満、バッテリー付き充電ケース込みでも6,000円未満で買えるので(2024年11月時点)、試しに買う、もしくは予備・サブ用途に買っておくのにもお勧めできます。
- Conambo K10C (Amazon) ※リンク先で本体+プラスチックケースか、本体+バッテリー付き充電ケースかを選択できます
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