最近、趣味のコーディングはもっぱらOpenCodeを使っています。OpenCodeはターミナルで動くAIコーディングエージェント(CLI)で、ClaudeCode、Codex CLI、Factory.AI Droid等と同ジャンルのソフトウェアです。特徴としては多様なLLMをサポートしている点で、Anthropic Claude, OpenAI GPT/Codex, Google Gemini等の大手のLLMだけでなく、最近進化が著しい中国系スタートアップのLLMや、Grok (米国 X.AI)、Mistral(フランス)等も利用できます。
また、LLMを提供するプロバイダが多数選択できるのも特徴で、例えばChatGPT plusのサブスクリプション契約をもっていれば、それを使ってOpenCodeを利用することができますし、Amazon Bedrock等のクラウドベンダーのAPIもサポートされているため、企業で利用できるクラウドが決まっている場合にも対応できます。
最近少しづつOpenCode関連ブログ・記事も増えてきており、OpenCodeの紹介記事はすでに日本語・英語でありますので、ここでは「LLMへの料金面を抑えながら快適にコーディングするためのパターン」として、$0~$30/月程度でのおすすめ組み合わせを説明します(※今後各プランに変更があれば、更新していく予定です)。
前提となる知識を先に説明するため、結論だけ知りたい方は途中を飛ばして最後の方だけ見てください。
なお日本語でのOpenCode解説記事としては以下2つがお勧めです。
LLMプロバイダの選択
LLM(推論)をAPIで提供しているプロバイダ(以下LLMプロバイダ)は世界中に多数あります。OpenAI、Ahthropic等LLM開発企業がそのまま提供しているものもあれば、彼らと契約することで別の会社が提供している場合もあります。また、オープンウェイトと呼ばれる、モデルがビジネスに利用可能なライセンスで公開されているLLMもあり(HuggingFace等で多数確認できます)、これらを(ある意味勝手に)ホストしてAPIを提供しているLLMプロバイダもあります。
LLMプロバイダ選択の注意点としては、後述するように料金プランの違いもそうですが、提供企業や、データ利用ポリシー、どの国で推論APIがホストされているかも確認すべきポイントです。また特にオープンウェイトモデルの場合は、性能(スループット)や精度もLLMプロバイダによって異なる場合があります。
OpenRouter (複数のLLMプロバイダをアグリゲーションして1つのAPIキーで提供するサービス)にはいろいろなLLMプロバイダの情報があるので、一例としてGLM 4.7 (z.ai) を提供するLLMプロバイダの一部を見てみると、以下のように料金も違いますが、レイテンシ・スループットも違いますし、サービス提供がSilliconFlowはシンガポール、DeepInfraは米国になっていたり、一方でDeepInfraはfp4に量子化された(コンパクトにしたバージョン)の提供であったりと条件が異なることが分かります。安定性の違いもあります。

このような色々な環境の中から自分の条件に合致したものを探すのも楽しいですが、ここでは自分の経験上おすすめできるLLMプロバイダの組み合わせを紹介します。
LLMの料金プラン
簡単に料金プランについて整理しておきます。現在多くのLLMプロバイダが提供する料金プランは、以下の2種類です。
- 従量課金:トークンと呼ばれる一種の文字の単位で、それの入力、および出力に合わせて費用が発生するものです。大半のLLMプロバイダがこの方式で提供しています。利用した分だけ費用が発生しますが、その分サブスクリプションのような利用制限は少なめです。
- サブスクリプション:Claude CodeのPro/Maxプランが最も有名で、月に$20, $100, $200といった固定費用を払うことで利用できます。固定なのでそれ以上費用が掛かることはありませんが、その代わりに利用量には制限がかかります。制限のルールはまちまちですが、一例としてClaude Codeの場合は5時間あたりの利用量、1週間あたりの利用量、1か月あがりの利用量が決められており、そこに到達すると次の期間までは利用できなくなります。
基本的にはサブスクリプションプランが安心なのですが、制限に到達すると何もできなくなるのが課題です。そこで複数のサブスクリプションプランを組み合わ、もしくはサブスクリプション+従量課金にすることによって、よりストレスなく利用可能になります。
なお、月に$100以上支払っても良いと考える方はOpenCodeだけでなく、ClaudeCode + ClaudeCode Maxプランも検討されるのが良いと思います。利用できるLLMはClaudeシリーズだけになりますが、ClaudeCodeは現状もっともユーザーが多い環境であり、ノウハウ・ハウツーが入手しやすいという大きなメリットがあります。
OpenCodeとの組み合わせでお勧めのLLMプロバイダ
以下に本稿で紹介するLLMプロバイダの料金プランを先にまとめます。
| 提供企業 | プラン | 料金 | 利用可能LLM | 制限・備考 |
| Open AI | Chat GPT plus | $20/月~(サブスク) | GPT/Codex | 5時間あたり・週あたりの制限 |
| Microsoft | Github Copilot (Pro) | $10/月~(サブスク) | GPT/Claude/Gemini等 | プレミアムリクエストは300件/月 |
| Anomaly (OpenCodeの開発元) | OpenCode Zen | API従量課金 | GPT/Claude/Gemini等 | OpenCodeからスムーズに使えるよう調整されている |
| MiniMax | Coding Plan | $10/月~(サブスク) | Minimax M2.1 | 100プロンプト / 5時間 |
| Z.AI | GLM Coding Plan | $6/月~(サブスク) | GLM 4.7 | 最大で約120プロンプト / 5時間 |
特に上から3つが個人的なお勧めです。
Chat GPT plusは、性能が高いChat GPT/Codexの最新モデルが利用できるだけでなく、(あくまで個人的な体感ですが)5時間制限、週次制限も比較的緩やかで、$20/月のサブスクリプションとは思えないぐらいの量が利用できる点がおすすめポイントです。
Github Coplitは同様にサブスクリプションではありますが、5時間制限ではなくあくまで一か月あたりのリクエスト数の制限になっていて、週末・余暇の時間に集中して使いたいというニーズに非常に適しています。
また、GPT/Claude/Gemini等のモデルから選べるため、色々試すことができます。リクエストには倍率(係数)があり、モデルによって制限の消費が異なります。詳細はこちらの表を参照していただきたいのですが、一部だけ抜き出すと以下の通りです(2026年1月18日時点)。
| LLM | 倍率(係数) |
| Claude Sonnet 4.5 | 1 |
| Claude Opus 4.5 | 3 |
| GPT-5 mini | 0 |
| GPT-5.2-Codex | 1 |
| Gemini 3 Flash | 0.33 |
| Gemini 3 Pro | 1 |
つまり、Opus 4.5はSonnetの3倍消費しますし、逆にGemini 3 FlashはSonnetの1/3ですみます。また、GPT-5 mini等一部LLMは(これはプレミアムリクエストとは別という扱いで性能は保証されないのですが)、係数ゼロになっており、気軽に呼び出せます。ちょっとした作業はこういった軽量モデルを使うことでより制限枠を有効に利用できます。
補足:本稿執筆時点ではGithub Coplit経由だとReasoningを有効にできないというバグがありますが、間もなく修正が入るようです。
OpenCode Zen は、OpenCodeの開発をリードしている企業(Anomaly)がOpenCode用に特化して提供しているサービスで、OpenCodeとの組み合わせで非常に安定して利用できるため、従量課金で使いたいニーズにはお勧めです。LLMは著名企業のものに加え、GLM, Minimaxといったスタートアップ企業のものも少し含まれます。また、後述するように無料で使えるモデルもあります。
費用は他社と比較しても同等か低い方に抑えられています。先に$20をサービスに入れてそこから利用する形であり、自動的な追加や、月当たりの制限等も設定できます。
色々な組み合わせを選択できるのがOpenCodeのメリットではあるのですが、中にはOpenCodeとの組み合わせをあまり検証されていないLLMがあったり、前述のように精度やホスティングする国もバラバラです。ですので、まずはある程度安定して動くことが分かっているものから試してみる事がお勧めで、その点でZenは安心です。
最後の2つ、MiniMaxとZ.AIはどちらも中国系のLLMスタートアップです。スタートアップらしい速度で自社LLMの改善とリリースを繰り返しており、コーディング用途の評価が上がってきています。昔試したときは、応答が急に中国語になるような現象が多発したのですが、最近のリリースではどちらもかなり正確な日本語応答をするようになりました。また、表にあるように、どちらも$10/月未満とは思えないぐらいの量が利用できるのもメリットで、候補に入れる価値はあります。
ただし、利用シーンによっては提供企業が中国企業である場合に利用できない場合もあるかと思います。また推論API自体がどの国で提供されているかも重要な場合もあるでしょう。MiniMaxはAPIサーバーがシンガポールにあることが名言されていますが、Z.AIは(IPアドレスからシンガポールのアリクラウドでは?と言われていますが)、明確な情報が見つけられませんでした。
個人的には、まず前述のOpenCode Zenで従量課金で試してみて(こちらはAPIが米国でホストされています)、性能が問題なければサブスクリプションを検討する、という方法をお勧めします。私はどちらもZen上で使ってみて、十分に利用価値のあるコーディング性能だと感じています。
また、上記5つに共通しているのは、どれも提供側(OpenAI, Github, Anomaly, MiniMax, Z.AI) がOpenCodeでの利用を明示的に許可していることが確認できている点で、その意味でも安心して利用できます。
料金別おすすめ組み合わせ
前置きが長くなりましたが、料金別にお勧めを書きます。
無料の範囲で利用する: OpenCode Zen
無料で利用することも可能です。OpenCode Zenは、いくつか無料で利用できるLLMが用意されており、クレジットカード登録不要ですぐに利用できます。執筆時点(2026年1月18日)では、GLM 4.7 (Z.AI) , Grok Code Fast 1 (X.AI), Big Pickle (これはZenの独自モデル)が無料で利用できます。前述のようにサービスは米国でホストされています。
ただし、基本的に無料のものは利用したプロンプトや生成されたコード等が学習に使われる可能性があると利用規約に書かれています。趣味の範囲でしたら問題ないことも多いとは思いますが、企業利用の場合は注意が必要です。
また、利用は無制限ではなく、例えばAPI混雑時のエラーが発生が多いなど、料金を支払うユーザーよりも強く制限されている(=待たないといけないことが多い)というデメリットもあります。とはいえ、無料でクレジットカード不要で始められるのはメリットですので、利用規約上問題ない用途でぜひ試してみてください。
$10/月以下:Github Copilot (Pro)
$10以下であればGithub Copilot (Pro) がお勧めです。前述のようにメジャーなLLMを切り替えて利用することができます。プレミアムリクエスト 300回というのは多いとは言えませんが、倍率が低いLLMをうまく組み合わせることで結構な量が利用できます。
またOpenCodeとは関係ありませんがGithubとの連携が簡単なのも良いところで、Issue上でエージェントに修正を依頼するといった使い方が簡単に実現できるも良いところです(OpenCode単体でも環境を準備すれば可能です)。トライアル期間も30日間と結構長い期間用意されており、試しやすいのも良いところです。
次点の選択肢としては Minimax と Z.ai のサブスクリプションもアリかと思います。1つしかモデルが利用できないですが、$10未満でよりたくさん使いたい場合に有効です。
特にZ.AIのCoding Planは「初回の支払いは半額」というキャンペーンが行われているのですが、年払いで契約すると初年度は$36/年($3/月)で利用でき、費用を抑える観点ではとても有効です。ただ、最近のZ.AI Coding planはスループットがでなくなってきているという意見も出てきている点には注意が必要です。
$20/月:ChatGPT plus
$20であればChatGPT plusがお勧めです。最先端のLLM(GPT/Codex)がサブスクリプションで使えるだけでなく、Githubとの連携機能等他の機能も使えるようになりますし、(コーディング以外の)ChatGPTの利用可能範囲も増加します。
次点の選択肢としては、前述のGithub Copilt (Pro)を契約し、月内制限を超えて使いたい分を従量課金に設定する方法も良いですね。1リクエストあたり$0.04という単価で利用できますので、追加$10、計$20の範囲で、550回分のプレミアムリクエストが使える計算になります。利用予算の上限も設定可能です。
$30/月:Chat GPT plus + Github Copilot (Pro)
$30/月であれば上記2つの組み合わせであるChatGPT plus + Github Coplit (Pro)をお勧めします。ChatGPT plusはOpenAIのLLMのみですが結構な量を費用を気にせず利用でき、その制限に達した場合にGithub Copilotに切り替えて使うことで対応できます。
また、Github Coplitの方ではClaude, Gemini等が利用できるので、例えばPlan時はClaude 4.5 Opus、開発のメインはGPT 5.2 Codex、小さい規模の処理はGemini 3 Flashのような使い分けも可能です。こういった使い分けができるのはOpenCodeの良さでもあります(本稿では触れませんが、OpenCodeにはAgent単位で利用デフォルトLLMを設定する機能もあります)。
次点としては、Chat GPT PlusとOpenCode Zenを使う方法で、Zenの方は従量課金ですが月あたりの費用制限を$10にしておくことで合計$30/月の範囲で色々なLLMを追加で利用できます。Zenを使わなかった月は$20で済むので、この方法もお勧めです。
色々なLLMを試すのをお勧めする理由
このブログを書いた理由は、OpenCode側で各種プロバイダーとの正式な提携が進んだというのが直接的なきっかけなのですが、ネット上のAIエージェントを使ったコーディングの感想や批評を見ていて、人によって全然感想が違うなと思ったことも理由です。同じLLMについてでも全く逆の意見が存在するのです。
おそらくは、LLMのハーネス(今回でいうとOpenCode)、プロンプト、エージェントの設定、スキルやMCP、開発言語… 等、結果に影響を与える要因がとても多様なため、人によって見え方が異なるのではと考えています。他の人の環境は自分とは違うことが多いので、LLMの評価は鵜呑みにできないと考えています。
つまり、自分で色々試す事をおすすめします。ゼロ円から始められるので、ぜひ色々試してみてください。
補足:LLMの切り替えについて
以下は専門的な知識がないので自信をもって言えないのでそれを踏まえて参考にしてほしいのですが、個人的には「長く続いたセッションの途中でLLMを切り替えるのは、基本的に同一ベンダーのLLMの範囲でやるのが良いのでは」と考えています。つまり、途中までGPT 5.2 で作成したものを5.2 Codexや5.1 に切り替えるのは良いですが、GeminiやClaudeには切り替えない方が良いという事です。
理由としては、思考の過程 (Chain of Thought)がベンダーをまたがって引き継げないためです。たとえばGPTのAPI(Responses API)では、APIが一種のステートを管理するようになっていて、思考の過程をサーバーサイドで保持するようになっています。また、Claudeであっても、thinkingブロックが読み取りできないredacted_thinkingとして応答に入っているので、これも他社LLMには引き継げません。結果として他社LLMへの切り替えが深い思考を阻害してしまうのではと考えています。(※これはFactory.AIのドキュメントMixed Modelsの記述を読んでの私の理解です。)
LLMを切り替える際は検討内容や設計をレポジトリ内管理のドキュメントファイル等に出力させた上で、セッションを切ってLLMを切り替えるのが良いのではと考えています。切り替えない場合でも、1セッションの中に複数の開発要素を入れないようにすることは、生成精度向上とトークン削減の両面で有効です。
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