※2024年11月17日 Db2 v12.1 リリースに合わせて更新
以前、IBM developer Works というサイトで「DB2 Express-C クイックインストール」というタイトルで無料版 IBM Db2 のインストールガイドを掲載していたのですが、developerWorksの閉鎖と共にアクセスできなくなってしまっていました。また、無料版のDb2の提供形態にも何度か変更がありました。そこで改めて無料版のIBM Db2の概要や制限、ダウンロード方法について説明します。Amazon EC2 にインストールする場合の注意点も合わせて記載しています。なおLinux版の具体的なインストール方法についてはこちらに、Windows版のインストール方法についてはこちらに書きました。
無料版 IBM Db2 の概要と制限
過去にはDB2 Express-C や、DB2 Developer Community Edition という名前で無料で利用できるDb2が提供されていましたが、現在は IBM Db2 Community Editonという名前で提供されています。だれでも無料で利用でき、制限についてはドキュメントによると以下の通りで、動作確認や小規模性能テストには十分使えそうです。ただし、12.1からは本番環境での利用はできなくなりました。また、11.5からの比較ではメモリ制限が16GBから8GBになったり、HADR等が使えなくなる等の変更が行われています。
- メモリ制限 = 8 GB
- CPU制限 = 4 core
- IBMからのサポートなし
- 非本番環境での利用に限定(usage is restricted to non-production environments)
- 利用できない機能:HADR、Point in timeリストア、pureScale、フェデレーション機能、DPF 等
12.1からCommunity Editionで本番環境での利用が不可になった部分を補完するためと思われる、有償の新エディション”Starter Edition”が12.1から追加になっています。こちらの制限は以下の通りです。
- メモリ制限 = 16 GB
- CPU制限 = 4 core
- IBMからのサポートあり(有償サポート)
- 本番環境でも利用可能
- その他の制限はCommunity Editionとほぼ同じ
Starter EditionはCommunity Editionと比較して利用可能なメモリ上限が倍になり、有償契約のサポートも利用できるようになりますが、それ以外の機能(HADR、Point in time リストア等)は利用できません。こういった機能を利用するにはStandard Edition以上が必要です。
以下では、Db2 Community Editionを導入可能な環境について説明します。Docker版のDb2 Express-Cも用意されていますが、通常インストール版について説明しています(※Dockerでの導入は簡単で便利なのですが、長い期間維持したり、性能測定には向かないため)。
利用可能なOSはLinux (x64)、Windows (x64)の他にAIX、Power PC Linux、IBM z/Linux が利用可能ですが、ここではx64の、LinuxとWindowsをとりあげます。
Db2 for Linux (x64)をインストール可能な環境
Db2 12.1を導入可能なOSについてはこちらのドキュメントに記載があります。
ドキュメントに記載が無いLinuxディストリビューションに導入しても動くことはありますが、Db2の動作要件にはカーネルや周辺ライブラリへの要件が細かく存在するので、できるだけドキュメントに記載されている環境で使用することをお勧めします。本記事執筆時点でのサポートされるLinux OSは下の通りです。
- Amazon Linux 2023
- Redhat Enterprise Linux 9 (9.4)
- SUSE Linux Enterprise Server 15 (SP6)
- Ubuntu 22.04 LTS
上記の中から無料で利用できるOSとして選択する場合はUbuntu 22.04 LTSが良さそうで、Amazon EC2環境であれば、Amazon Linux 2023も選択肢に入ります。(VMwareやHyper-V等の仮想環境にAmazon Linux 2023を導入することも可能です。詳細はこちらのドキュメントを参照してください)
また、RHEL 9やSLES 15もサポートリストにあるため、それらと高い互換性をうたうRocky LinuxやAlmaLinux、もしくはopenSUSE等の無料で利用可能なディストリビューションも候補にして良いかもしれません。ただし、Rocky Linux, AlmaLinux, openSUSEはサポートリストにはありません。
Db2 for Windows (x64)をインストール可能な環境
Linuxと同様こちらのドキュメントに記載されており、12.1リリース時点では以下のWindows OSをサポートしています。
- Windows 11 Pro/Enterprise
- Windows Server 2022 Standard Edition/Datacenter Edition
多くの場合、PCに導入する場合はWindows 11を、Amazon EC2等のクラウドサービス上に導入する場合は上記Windows Serverのどれかを選択する事になりそうです。
Db2 Community Edition のダウンロード方法
Db2 Community Editionのダウンロードには、IBMidでのログインが必要ですので、まだお持ちではない方はこちらのガイドを参照してID作成しておく必要があります(無料で作成できます)。
IDが作成できたら、こちらのURLからダウンロードが可能です。ログインして進めていくと以下のような画面が表示されますので、Linux (x64)版、もしくはMicrosoft Windows (x64)をダウンロードしてください。(なお同ページから、Db2のGUI管理ツールであるDb2 Data Management ConsoleやCUI管理ツールであるdmctop、各種プログラミング言語用ドライバもダウンロード可能です)

以降はAmazon EC2上に導入する際のEC2の選択やAMIについての説明ですので、EC2を使わない方は読む必要はありません。Linux版のインストールガイドはこちらにあります。
Amazon EC2インスタンスの選択
ここではAmazon EC2 上にDb2 for Linux/ Windowsを導入する際の注意点を簡単に列挙します。まず、EC2インスタンスの選択については、以下に注意してください。
- プロセッサがINTELもしくはAMDのインスタンスファミリーを選択してください(AWS GravitonはARMプロセッサのため利用できません)
- Community Editionの制限(4 core / 8 GBメモリ)内に収まるインスタンスを選択する必要があります。ここでいう4 coreの意味ですが、こちらのBYOLの際のライセンス計算ルールによると、 EC2上では 1 vCPU= 1 Core とみなして計算するとありますので、EC2上でのDb2 Community Edition は 4 vCPU が最大と考えておくのが安全だと思われます
- 選択の例としては、C6i/C6aやC7i/C7aのxlarge (4 vCPU/8 GBメモリ)等です。
- 動作を評価するだけなら、安価なT3/T3aインスタンスも利用可能です。ただし、TファミリーのインスタンスはCPU性能がCPUクレジットによるバースト制になっていたり、ネットワーク性能の保障が無い等、性能評価には向いていない点には注意が必要です。性能評価をする場合はC/M/Rファミリーを使用してください
- ストレージ構成は、性能を求めないのであればGP3のEBSを1つ作るだけで良いですが、性能を測る場合は、EBSの特性を配慮したストレージ構成の検討が必要です(後述のスライドに記載があります)
- EC2の利用料金(単価)はリージョンによって異なります。利用上問題なければ、例えば米国リージョン(オレゴンや北バージニア)の方が、東京・大阪リージョンより安く利用できます
以下のスライドにもう少し細かい点で注意点をまとめていますので、必要に応じて参照してください。
Amazon EC2 AMIの選択
続いてAMI(OSイメージ)の選択については、前述のようにDb2がサポートしているOSから選択することになります。
Windowsの場合の選択はシンプルです。EC2の管理コンソールのクイックスタートにWindowsがあるので、そこからWindows Serverのバージョンを選択するだけです。特に希望が無いならデフォルトのWindows Server 2022 (Base) で良いでしょう。

Linuxの場合、Amazon LinuxかUbuntuであればWindowsと同様にクイックスタートから選択することが可能です。現在のAmazon LinuxのデフォルトはAmazon Linux 2023です。UbuntuのデフォルトはUbuntu Server 24.04 LTSなので、Ubuntuのアイコンを選択後に、下のドロップダウンボックスから22.04 LTSを選択してください。

一方で、CentOS等クイックスタートのリストにないOSの場合は、各OSディストリビューションがオフィシャルに提供しているイメージの一覧が以下に用意されているので、こちらから選ぶのが良いでしょう。ただし、基本的にはDb2のドキュメントに記載があるOS、バージョンに導入することをお勧めします。
EC2環境が準備できたら、あとは通常のサーバーと同様にインストールをすることができます。Windowsの場合はRDPでログインするため、Db2のGUIインストーラーで導入する事が多いと思います。Linuxについては、SSHやSSM Session Managerを使ってコンソールログインして、コマンドラインでDb2を導入するケースがほとんどでしょう。
無料で利用できる Db2 Community Edition for Windows インストールガイド (Db2 12.1対応版) – Portablecode.info への返信 コメントをキャンセル