2023年からSKO Radioというホスト3名でのPodcastをはじめ、その経験を元に今年(2024年)からは、OTF Talkというソロ運営のPodcastをはじめました。昨今はPodcastを公開する方法は多数ありますが、その分何を使うべきか迷うことも多いと思います。

以下に、OTF Talkを立ち上げる際にどのように考えて、何を準備したかをまとめます。基本的にはローコスト・一人運営に耐えられる前提で考えています。

Podcastの企画

内容を決める

機材を購入したり利用サービスを検討する前に、まず内容をあるていど固めておくことが重要です。どこまで事前に考えるかは人それぞれだと思いますが、ある意味一番大事な準備です。まとめる内容としては、以下のようなものです。

  • Podcastの目的(なぜ作成するのか)、収録内容、エピソード内の組み立てとゲストに何を話してもらうか、収録時間、編集の方針、運営体制、配信タイミング

OTF Talkの場合、OTF (Open Table Format)の技術的な内容を広めることを目的に据えました。これをスタート点に考え、ゲストを1名お呼びしての1:1方式、各話20分程度で1ゲストあたり2~3話収録、ゲストとの事前打ち合わせに1時間、収録も1時間で完了させる、ビギナー目線でホストが補足する形で進行、BGMやオープニングミュージックは無し(編集を楽にしたいので)、といった大まかな内容を決めました。

番組名(Podcastの名前)を決める

個人的には以下の条件を満たす名前にすることが重要だと考えていて、OTF Talkもその条件で考えた名前です。

  • 番組名から内容がある程度想像できること (OTF Talk)
  • 番組名で.comのドメインがとれること (otftalk.com)
  • Youtubeで番組名そのままのIDが空いていること (youtube.com/@otftalk)
  • その他、X等SNSで番組名そのままのIDが空いていること (x.com/otftalk)

収録方法の検討

方向性が見えたら収録方法の検討です。一人でしゃべるだけなら、PCかスマホ1台で完結できますが、ゲストを呼ぶ場合は収録をオフライン(物理的にお会いして収録)か、オンラインかのどちらかを検討する必要があり、それぞれで必要な機材が変わってきます。

  • オフライン(物理的にお会いする)
    • 遅延なく雰囲気をみながら会話でき、3人以上で会話しても会話がスムーズ
    • 機材さえ準備すれば、高い音声クオリティでの収録が可能(ホストが準備した環境で、全員同じ状況で録音するので)
  • オンライン
    • 安価に始めることができ、機材投資も少なくすむ
    • スケジュールが(オフラインよりは)楽で、遠方の方にも参加していただきやすい

OTF Talkの場合はゲストを毎回1名お呼びし、オンラインでお話を伺うことにしました。オフライン実施はスケジュール調整が難航しがちで、遠方の方にお話いただけないからです。

オンライン収録の課題は音声クオリティです。録音サービスは安価で良いものがあるのですが、音声のクオリティの大半はマイクと収録環境で決まってしまい、自分はともかくゲストのクオリティをコントロールすることは簡単ではありません。

OTF Talkではゲストに「ヘッドセット(もしくはイヤホン+マイク)着用でお願いします」と依頼し、PC本体のマイクで話すのだけは避けていただく事で、ある程度クオリティを維持しています。また、できるだけ有線接続を使うことをもお願いしています。これはBluetoothのマイク入力はどうやっても高いクオリティにはならないからです。(LEオーディオが普及してくればまた話は違ってくると思いますが)逆に安価でも有線のEarPodの方は結構良い音で録音できます。

こだわるならゲスト用のUSBマイクを購入し、事前に送付することで改善できるのですが、運用が大変なのでそこまではやれていません。

環境準備

録音環境(リモート)

リモートで収録する方法は色々ありますが、お勧めはPodcast専用のWebサービスです。Zoom等でも録音はできますが、良い音をネットワーク環境に依存せず録音するには専用のサービスを使うのがお勧めです。

Podcast収録環境については以前に以下にまとめましたが、残念ながら現時点では無料で利用できるサービスにお勧めできるものは無いです。私はRiverside.fmの月15ドルプランを利用しています。(※追記:Riversideでは月15ドルのプランの新規申し込みが廃止されたようです)

Riverside.fmより安いものもありますが、試した範囲では安定性、機能、UI等でRiverside.fmは極めて優秀でした。ゲストに出てもらっての収録なので、特に安定性は重要です。次点でZencastrでしょうか。

どのサービスを使うにしても、マルチトラックレコーディング、つまり ホストとゲストが別トラックとして(別ファイルとして)録音できる機能だけは必須として検討することをお勧めします。例えばどちらかの背後で救急車の音が録音に入ってしまったとしても、しゃべっていないタイミングであれば、その部分だけ削除できます。

自分用の機材ですが、昨今はUSBのマイクが多数でていますので、Youtubeのレビュー等を参考に安価なものを購入されるのをお勧めします。もしくは最初は割り切ってApple EarPodsで始めるのもありだと思います。私が使っているのは、マイクは Shure SM57とSE v7、オーディオインターフェースはWave XLRです。

(追記:こちらに、Podcast収録時の機器選定のポイントについて書きました)

ゲストなしでホスト一人がしゃべるだけでしたら、スマホのマイクは(PCマイクと違い)高いクオリティを持っているため、スマホ+録音アプリだけで始めるのもアリだと思います。一人録音の場合、好きな場所・タイミングで録音できるので、静かでエコー(リバーブ)が少ない環境で録音することで高いクオリティが得られます。

エコーを減らす簡単な方法としてはクローゼットの中で録音することがあげられます(「クローゼット 録音」等で検索すると色々でてきます)。

編集環境

OTF Talkの場合は、基本的な会話の流れは変更せず(会話の前後関係を変えるような編集はしない)、不要な部分(相槌、重複、言い間違いなど)のカットと、聞きづらいノイズやリップノイズ、ブレスだけカットしています。

編集ソフトウェアとしては、私はReaperが気に入ってSKO Radioを始めたときから使っています。これは買い切りで60ドルという商用DAW(Digital Audio Workstation)としては安価な部類の製品ですが、十分な機能がそろっています。

一方でPodcast録音用のWebサービスにも編集機能が含まれていますし、OSSで有名なAudacityでもPodcast編集は十分可能です。macOSならGarageBandも無料で使えますので、こういった無料のものから始めるのが良いと思います。

各種配信に必要なサービスの準備

エントリが長くなってきたので、具体的なサービス(利用インフラ)の準備部分は簡単に概要だけ記載します。以下の準備を行いました。

  • 各種サービスに登録するためのEメールアドレスを取得(私はGmailを利用)
  • ドメイン取得 (私はCloudflareを利用)
  • ホームページ取得(私はBloggerを利用)
    • ホームページを作成するサービスは多数ありますし、任意のもので問題ありません。ただし独自ドメインが使えるのは必須にした方が良いです。
  • 配信に記載するメールアドレスを作成
    • Podcastを各種配信サービス(Apple podcastやSpotify等)に登録する際には、配信のRSSと同時に外部に公開される連絡用のメールアドレスが必要になることが多いです。個人アドレスでも良いですが、専用のものを作っておくのが良いでしょう
    • CloudflareにはEメールをForwardする機能があるので、私の場合は配信記載用のメールアドレスを独自ドメインに作成し、そこに来たメールはCloudflareの機能で最初に取得したGmailアドレスにフォワードしています
  • サービス登録用のメールアドレスでXのアカウントを作成、多要素認証をONにする
  • 個人のYoutubeアカウントで、Podcast用のYoutubeアカウントを作成し、切り替えたうえで、Youtubeチャンネルを作成する
    • 個人のYoutubeアカウントのままチャンネルを作ることもできますが、これもメールと同様分けておいた方が良いかと思います

Podcastの配信プラットフォームについても多数ありますが、Spofity for Creators (旧Anchor)をお勧めします。無料で利用でき、保存できる音源の量、配信の帯域に制限がありません。Spotifyのアカウントがあれば、すぐにPodcast配信を始めることができます。

PodcastをSpofityに登録する際やYoutubeチャンネル、Xアカウントの作成時にはロゴ画像が必要になりますが、私はCanvaで作成しました。テンプレートが多数用意されており、アイコン用の正方形のものや横長バナー画像を簡単に作成することができました。

Podcastをはじめるまでに私がやった準備は以上です。Podcastの運営や録音後の編集等については別のエントリにまとめようと思います。

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