Bluetoothで接続できるイヤホン・ヘッドホンを普段使っていますが、どうしても遅延があるので、Podcast編集時には有線のオーバーヘッド型ヘッドホンを利用していました。

ただ、もうちょっと気軽に編集したいことも多いので、無線でつながり、遅延が小さいイヤホンとして「ゲーミング用」等としてUSBドングルとの組み合わせで低遅延を実現しているものを買ってみることにしました。

購入した PrismXR Vega T1 は低遅延かつ値段も抑えられていて(8,000円~10,000円ぐらい)良い製品なのですが、一部注意点もあるので、そこも含めて簡単にレビューします。

PrismXR Vega T1

PrismXR Vega T1 はPrismXR社の製品で、PrismXR社はその名前から想像できるようにAR/VR系デバイスのメーカーです。Vega T1もメインターゲットはQuest 3というVRグラスにつけて使うための便利な製品としてデザインされているものですが、USB-C接続ですので以下に書くようにPC・スマホ・ゲーム機等色々なデバイスで利用可能です。

デバイス自体は以下のように一般的な充電ケース付きBluetoothイヤホンとほぼ同じ大きさでですが、USB-C接続のドングル(写真だと右下)が付属するところが違いです。

付属物は、イヤホン本体、充電ケース(この中にイヤホンとUSB-Cドングルを保管可能)、イヤーピース3種類(S,M,L。Mは本体装着済)、マニュアル類(各国語表記、日本語あり)、USB C->A変換アダプタ、充電用ケーブル(USB-C to C)です。

充電ケースは磁石が内蔵されていて、イヤホンを簡単に定位置に収納することができます。ただ円形状でややツルツルする素材のため、やや開けにくいのが注意点でしょうか。

メリット:汎用性の高さと小さい遅延

USB-Cドングルをつけることで低遅延接続が可能になり、メーカーによると25msの遅延とのことです。一般的にBluetooth接続では100~150ms以上の遅延が発生しますので、それと比較してきわめて小さいといえます。私の場合は有線との違いを体感できませんでした。

USBドングルは充電パススルー(27Wまで)に対応していて、USBドングルに充電ケーブルを刺してスマホ等を充電することができます。スマホでゲームするような用途に便利だと思います(私はドングルをPCに接続して使っているのでパススルーは使っていません)。

ドングル自体は、一般的なUSB有線接続のイヤホンとして認識されます。以下はWindows 11に接続した状態ですが汎用USBオーディオとして認識されています(以下はマイクの設定画面ですが、スピーカーとしても同時に認識されています)。

そのため、汎用USBオーディオに対応している機器であればおそらくゲーム機、スマホ、VRヘッドセットを含め、多くの機器でドライバインストール無し、Bluetoothペアリング設定も無しで利用可能です。私の環境でもUSBドングルを刺しただけで、PC、Androidスマホですぐに使えるようになりました。このあたりは手間も接続トラブルもなくて良いですね。

また、Bluetooth接続のイヤホンにありがちな、無音時のホワイトノイズもほとんど無いのも良いところです。

接続時の入力形式が16bit/48kHzになっていることからもわかるように一般的なBluetoothマイクのHD Audio (16kHz)と比較して広い周波数レンジに対応しています(ただしマイクは後述するように注意点があります)。

Windows 11での認識

なお、本体はBluetoothでも接続可能であり、こちらは一般的な遅延が発生しますが、USBドングルとBluetooth両方に同時に接続しておくことが可能です(マルチポイント接続)。

Podcast編集で利用してみての感想

このイヤホンでPodacastの編集をしてみたのですが、有線ヘッドホンと同様に遅延を感じず編集が可能でした。しっかり音を聴いてマスタリングするような際は有線ヘッドホンにしますが、それ以外はこのイヤホンで問題なく編集できそうです。ゲームや動画視聴も少し試してみましたが、こちらも遅延を感じずに楽しむことができました。

音質に関してはそれを評価できるほどの知識はないのですが、デフォルトの状態でも高音・低音を強調しすぎてはいないため使いやすい印象です。また、スマホアプリを利用することでプリセットされたイコライザや、自分でEQを設定できるので、ある程度は好みに調整が可能です。アプリではタッチコントロールをカスタマイズすることもできます。

アプリでの操作設定

注意点:マイクと通信距離

聴くという観点では不満はほとんど無いのですが、やや気になったのはマイクです。

これは接続先のデバイスによりますし声の大きさでも異なるので、ケースバイケースだということに注意が必要ですが、Windows 11の標準USBドライバで私の声ですと、ゲインがやや不足ぎみでした。以下はWindows 11のマイクテストを実施した画面ですが、普通にしゃべって30%と、これは一般的なBluetoothヘッドセットと比べて小さい値です。昨今のオンライン会議やDiscordアプリは、自動的にゲインを増加させる、もしくはゲインを調整する機能を持つので問題にならないことも多いと思いますが、使う前には念のためにマイク音量の確認をした方がよいでしょう。

また、マイクの録音クオリティはあまり高いとはいえません。規格上は16bit/48kHzに対応しているはずなのですが、それを生かした録音クオリティは実現できていませんでした(普通のBluetoothイヤホンと大差ない音質)。

耳につけたイヤホンで声を拾う以上ある程度はしかたない部分ではあるのですが、口から遠い分やや周辺ノイズを拾いやすいようです。会議用ヘッドセットにあるような音声(中音)に特化したマイクチューニングはされていない印象で、その意味でも会議用のマイクではないと言えるでしょう(会議ができないわけではないです)。

なお、Windows 11の標準ドライバで利用した場合は、以下のようにバックグラウンドノイズ削減がデフォルトでONになっています。これは好みでON/OFFすれば良いかと思います(昨今のオンライン会議システムやDiscord自体にもバックグラウンドノイズ削減機能がついているので)。

通信距離については一般のBluetoothよりは短いと思った方がよさそうです。スペック表に記載がないので正確な最大距離はわからないのですが、数メートル離れると音が途切れがちになります。そもそも低遅延での通信が実現できているということは通信バッファを極限まで詰めているということですので、電波の乱れには弱いということになります。とはいえ、そのようにドングルとの距離を離してつかうことを想定した機種ではないと思います。

このほかの注意点としては、USBドングルがやや横長の形状なので、スマホ等は問題ないと思いますが、ノートPCでUSB端子間の幅が狭い機種につけると、隣の端子に干渉する可能性があるところでしょうか。

まとめ:低価格で低遅延、汎用性の高いイヤホン

低遅延ワイヤレスのイヤホンは、「ゲーミング」でブランディングされているものが多く、その分高めの価格設定が多い印象で、1万円後半から高いものは2万円以上の価格が付いているものが中心ですが、本製品は基本的な機能を提供しつつ8,000円~10,000円ぐらい(セール時期によって異なるようです)で販売されており、コストパフォーマンスは良好です。

スマホアプリも安定しており、色々な機種にUSBドングルを刺せばすぐつながるという導入の簡単さをふくめ、お勧めできます。

Vega T1 Low Latency Wireless Earbuds

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