先日、このブログを Amazon Lightsail から WordPress.com (WordPress専用のホスティングサービス)のPersonalプランに移行しました。このエントリでは移行の理由と、Personalプランでできることや制限について記載します。
※2025/1追記:以前はStarterと呼ばれていたプランがPersonalになっていたので、タイトルと文を更新しました。Starterはさらに以前にはPersonalと呼ばれていたので、名前が元に戻った形です。
※2026/10/24:Personalプランで利用可能な機能が拡張された点やMCPサーバー対応について更新
運用管理をしなくてすむ環境へ
以前は Amazon Lightsail(VPSサービス)にWordPressを導入して利用していました。使いたいソフトウェアスタックを選択するだけでWordPress等が起動するところまで作ってくれるとても便利なサービスなのですが、定期的なインフラソフトウェアのアップデートはユーザーが実施する必要があります。特にPHPとApacheはセキュリティ的な課題が出ることもあり、サポートされなくなる前に定期的にアップデートしていく必要がありました(その方法についてはこちらに書いていますが、すでに古い情報であることに注意してください)。
移行の理由はアップデート作業をやめたかったからです。私が調べた中では、そういった運用をサービス提供者が実施する、いわゆるマネージドなWordPressサービスの中ではWordPress.comのPersonalプランはとても安価です(費用は後述)。なによりAutomattic社によるワールドワイドの運営なのでサービス提供の技術力やサービス継続にも安心感があります。(補足: WordPressはOSSのコンテンツ管理システムで、WordPress.orgからダウンロードできます。このWordPressのホスティングサービスを提供しているのがWordPress.comです。)
私が選択したPersonalプランはユーザーがインフラにたいして出来ることはほぼ何もありません。管理画面にはWebサーバーやRDBに何を使っているかといった情報や、PHPのバージョン情報すらありません。まさに私が希望する管理不要な環境です。
一方でマネージドサービスは、VPSやレンタルサーバーに自分でWordpressを入れるような環境よりも自由度が減るのが一般的です。以下に書くようにPersonalプランは制約も多いので、自分の用途で問題なく使えるかが選択のポイントです。
WordPress.comのプラン/機能の違い
WordPress.comで提供しているプランは、個別契約のEnterpriseやBluehostという外部サービスへのホスティングを除くと以下4つに無料で使えるFreeプランを合わせた5つです。

このうち、Business/Commerceはより自由度が高く、Free/Personal/Premiumとは全く異なるサービスという点に注意してください。後述するような制限のほとんどは Free/Personal/Premiumにのみ当てはまります。一方で(私が利用している)Personalプランは1年払いにすると、月当たり580円とマネージドなWordPressとしては大変安価です。※スクリーンショットでは400円になってますが、これは1年目だけ特別オファーが提示されているからです。
ただし、料金は変更になる可能性がある点に周囲してください。私が最初に契約した2024年時点では、1年払いで564円/月でした。また2年契約もあり、その場合はより安価になります。
Personalプランの機能と制約
プランの比較詳細はホームページに表がありますので、特に気を付けるポイントだけここでは記載します。
Freeプランとの違いは、広告が出ない(ただしテンプレートによってはフッターに小さいWordPress.comロゴかリンクは残る場合がある)、プラグインが導入可能、利用可能なテーマの増加、CSSが変更可能に、独自ドメインが使える、音声ファイルが置ける、メールによるサポートがある、ストレージサイズが1GB->6GBに増加、というあたりが主な違いです。私の場合は独自ドメインと音声ファイルは必須の要件でした。一方で、これからWordPress.comの有料プランを考える際は一度Freeプランで動作を確認してみる事をお勧めします。
逆に気を付けるべき制約はプラグイン、テーマ、収益(広告)の方法です。
プラグインの導入
以前はPersonalプランではプラグインの導入はできなかったのですが、2026/4から利用可能になりました。
WordPressプラグインディレクトリにリストされいるものであれば簡単に導入可能ですし、プラグインをZIPでアップロードして導入することも可能です。ただし全てのプラグインが動作するわけではありません。こちらに互換性のないプラグイン一覧の情報がありますので、導入したいプラグインがある場合は事前に確認しておくと良いでしょう。また、Akismetによるアンチスパム機能と、サイトへのアクセス数等を分析するためのJetpack統計は標準で入っています。そのため、私はプラグインを利用していません。
テーマの選択とカスタマイズ
テーマはWordPressの見た目を変える機能でこれも重要な検討ポイントでしょう。Personalプランは、独自にテーマを導入することはできず、用意されているものから選ぶのみですが、無料(Free)プランでは利用できなかった多数のプレミアムテーマも利用可能になっているので、選択肢のバリエーションは豊かです。また、テーマの中で(与えられた範囲で)カスタマイズはできます。例えば本サイトだと、各種メニューやリンク、記事一覧の表示数等をカスタマイズしたりしています。カスタマイズはGUI操作で行えます。

以前は一部のプレミアムテーマを利用したりCSSの修正を行うには別途アドオンを購入するか、上位プランに移行する必要がありましたが、こちらは2026/4の発表、および2026/10の発表でPersonalプランにも含まれるようになっています。これによりPersonalプランでの表現の自由度が増しました。

また、私は気にしませんが、フッター最下部にWordPress.comの小さいロゴもしくはリンクメッセージが出るのを削除できないようになっているテーマもあります。つまり完全にコントロールしたい場合はBusiness以上のプランが必要になる場合もあります。
収益化の制限
Googleアドセンス等を使い、サイトの収益化を検討している場合はプランの選択に注意が必要です。
Personalプランでできる収益化は、アフィリエイトリンク、プレミアムコンテンツ(サイトのサブスクリプション購入者のみ閲覧可能なコンテンツ)、有料ニュースレターです。(この他、寄付・チップを募ることも可能です。ただ、寄付やチップを受け取ることが法律上問題ないのかどうかは私は分からないです。)
アフィリエイトリンクは以下の制限があります。
ギャンブル、一獲千金を狙った計画、マルチ商法プログラム、評判の悪い業者、性的に露骨な素材、マルウェア、フィッシングタイプの悪徳商法に関連するアフィリエイトリンクの掲載は許可されません。また、アフィリエイトリンクにトラフィックを転送することを主な目的とするサイトも許可されません。
つまりAmazonやRakutenといったアフィリエイトリンクを張っての収益化は可能です。
一方で広告収入、つまりGoogleアドセンスはPersonalやPremiumプランでは利用できません。Business以上のプランが必要です。Automattic社が運営するWordAdsは、Premiumプラン以上で利用可能です。
なお、私の理解が間違っているかもしれないので、収益化を考える場合は必ず以下のオフィシャルのドキュメントを参照してください。また、WordPress.comの日本語フォーラムで質問してみるのも良いでしょう。
- サイトを収益化する (WordPress.com)
パフォーマンス
こちらによると、Automattic社のサーバーは世界中にあるデータセンターに配置されているとのことで、日本にあるかどうかは分からないのですが、こちらによるとCDNは内蔵されているということで、それもあってか十分なパフォーマンスが出ています。私の場合は事前にFreeプランで仮サイトを動かして、問題なさそうなことを確認してからPersonalプランを契約しました。
前述のようにインフラに対して出来ることは何もないので、もし性能面が不足した場合は上位のプランに更新する必要があります。Creator以上では自由にプラグインを導入できるようになり、JetPackのカスタマイズ範囲も広がります。
移行(マイグレーション)
移行はとても簡単でした。Freeプランでアカウント作成後、旧サイトからWordPressの機能でコンテンツをエクスポートし、それをWordPress.comでインポートするだけですぐに動作を確認することができました。その後Personalプランを購入して新たにインポートしなおし、テーマを変えたり、少しカスタマイズをしたり、元のサイトで使っていたプラグインの要素を削除したりして利用しています。
移行後の記事のURLはexample.com/YYYY-MM-D/your-slug/形式になり、途中の日付(YYYY-MM-DD)を消したり最後のスラッシュ(/)を消すオプションはありません。ただし/your-slagだけでアクセスしても適切にリダイレクトされるため、移行前のURLでもアクセスは維持されます。たとえば本記事なら、 https://portablecode.info/migrate-wordpress-starter でもアクセスが可能です。
追記:AIエージェントからのMCPアクセス
2026/3に、Wordpress.comの記事をMCPサーバー経由で更新できるようになりました。自分の記事をAIに書かせることができるという事ですね。私はまだ試していないので評価はできませんが、有料プラン全てで利用可能とのことです。詳しくは以下のブログを参照してください。
まとめ:WordPressであれば再度の移行も簡単
上記のようにWordPress.comのPersonalプランは、表現面や収益化に制限はあるものの、運用が不要になるいう点にとても満足しています。特に2026年に行われた改善でより広い人におすすめ出来るようになりました。なおWordPress.comを含むAutomattic社のサービスの稼働状況はこちらで確認できます。
WordPressにこだわらなければ、ブログを書くためのプラットフォームかつ運用不要のものは他にもありますが、私にとっては、世界でもっとも使われているCMSであるWordPressである点が重要なポイントでした。もしWordPress.comのサービスが合わなくなった場合は、別のWordPressホスティングサービスや、セルフホスティングに戻ることができるからです。
ブログサイト選択の参考になれば幸いです。
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